私は香港の航空会社で丸5年、客室乗務員として働いています。
自分の仕事はとっても好きで、過去にもこんな記事を書いています↓

ただ、やはり接客業で沢山のお客さんと日々接していると

な、なんじゃそりゃ!
という言い分で怒られたり、ご意見をいただくこともあります。
そんななんじゃそりゃ事件の中でも、選りすぐりの「理不尽エピソード」を紹介し、その理不尽な事柄にどう対処しているのかを書いてみたいと思います。
その1:機内食が気に入らない!と怒鳴られた
これは割とあるあるなんですけど
★食事のチョイスがもともと2つあって(BEEF or CHICKENみたいな🍴)一つが売り切れてしまったことに対して怒られる
機内ではどうしても搭載されている食事に限りがあって、大体2チョイスなら50%ずつか、その路線で人気がありそうなチョイスを少し多めに載せたりなどしています。
会社が予想していた以上に一つのチョイスに人気が偏ることもあるので(というかほぼ毎フライト起きる)、そうなると後の方に食事を受け取るお客さんには

申し訳ありません…お食事2つチョイスがございましたが〇〇は全て売り切れてしまいました…△△をご用意してよろしいでしょうか?
等とお1人ずつ説明をして回ります。
他の人は選べたのに、自分には選ぶ権利がない!
というのはハッピーなことではないので、お客さんが残念に思う気持ちもわかりますし、本当に申し訳なく思っています。
やはり中には

絶っっっっっっっっっ対に◯◯じゃないといやだ

他にチョイスないの?

私/僕に△△を食べろだって?素晴らしいサービスだねこの会社は!!(皮肉です)
というお客さんもいます。
申し訳ない気持ちはあるのですが、どうしても…ないものはないので、こういう問題を扱っているときメンタル面でものすごく消耗します。
また
ご自身で選んだ食事の味や見た目が気に入らなかったので怒る
というお客さんもいました。
実際に言われたことはこんな感じです↓

君の会社のシェフは◯◯というものを知らないのかな??レストランで〇〇を注文してもこんなものが出てくることはないよ!見るのも気持ち悪いから早く下げてくれ!
これと言われた時は「おぉ…そんな…理不尽な…」と結構なダメージを受けました。笑
その後実際私も食べましたが、見た目も特に問題はなく、味も美味しかったんですけどね、感じ方は人それぞれですもんね。
その2:トイレに行くのを止めたら、ものを投げつけられた
トイレ関連もめちゃめちゃ多いトラブルの原因です。
飛行機に乗っていると頭上でシートベルトサインがついている時と消えている時がありますよね。
これは離着陸前後は必ずついていて、上空にあがってからも気流が安定していない時には点灯したりします。
シートベルト着用サインはパイロットによってON/OFFが操作され、CAはこのシートベルト着用サインが点灯している間、お客さんがきちんと座席に座ってシートベルトを着用してくれていることを徹底する義務があります。
天候や風の調子が悪い時はこのシートベルトサインがかなり長い間ついていることも。
そうなってくると問題になるのがトイレです。
飛行中で揺れもまぁまぁ安定している時で、お客さんがとんでもなく緊急事態の場合は、状況に応じてトイレの利用を許可することもありますが、絶対に何人たりとも立ち上がれない瞬間もあります。
それは離着陸前後です。
この瞬間はCAも立ち上がれない、何が何でも全員着席の瞬間です。
以前、このタイミングでめちゃめちゃトイレに行きたいから行かせて欲しいと言われました。私はトイレ近くのクルーシートに座っていて、お客さんがトイレめがけて走ってきちゃったのです。
テイクオフ(離陸)まで秒読みという瞬間にお客さんが立ち上がってトイレに行こうとして、それを見たCA全員動揺!!という感じでした。笑

今はトイレ使えませんよ!もう離陸するのでいますぐ席に戻ってシートベルトを閉めてください!!
と私は叫び、お客さんはなんとか離陸直前に席に戻りました。
無事に離陸をした後、私はそのお客さんにサービスする機会があったのでごく普通にサービスをしようとしました。
すると、お客さんは持っていた飲み物のカップを私に投げつけて、

お前のことは絶対に許さない
と言い放ちました。
怖かったしショックでした…。トイレに行きたいのに行けない苦しみはわかりますが、こればっかりはルールです。。敵意をむき出しにされたらCAも人間なので傷つきます。
これが1番印象に残っているエピソードですが、トイレ事件はこの1回だけじゃないです。多分、似たような事件が大小・全世界中で起きています。
その3:荷物を持ち上げなかったら「もういい、あっちいけ」と 言われた
こ・れ・も!よくある問題です。
前提として伝えておくと
⓵全てのエアラインで、荷物はお客様ご自身の責任で収納するものと決められています
⓶CAの荷物の上げ下げは業務の範囲外です
⓷ただ、赤ちゃん連れのお母さんやご高齢のお客様へのお手伝いはしています
そのうえでなんですが、そのお客さんは飛行機に乗り込んできて早々、ぼそぼそっと何か言っていたようですが、とても小さい声だったので聞き取れませんでした。
少し経って、ちょっと乱暴に荷物を上の棚に入れ、席に座りました。
その後そのお客さんに飲み物をお渡しする機会があったので近づくと、

ねぇ、さっき僕荷物やってって言ったけど無視したでしょ。腰が痛いから荷物持ち上げるの辛かったのに。ほんと何にもしてくれないんだね君たちって。もういいよ、あっち行ってよ。
(しっし!というジェスチャーと共に)
これは、ええっと、言葉を選ばずにいうと、イラっとしました。笑
まず、聞き取れなかったこと、聞き返さなかったことは私が悪かったと思います。
ただ
・荷物はそもそもお客さん自分でどうにかするものだし
・腰痛くて持ち上げられないなら、預け荷物にして欲しいし
・もしどうしても持ってこなくちゃいけなくて、どうしても手伝いが必要なら、人に依頼するときの言い方ってありませんか?
と私は感じてしまったのですが、どうですか?どう思われますか?みなさん😭
自分の要望が通らなかったからって「あっちいけ!」は、大人のすることじゃないでしょ…とびっくりしました。
メンタルケアはどうしてる?
なかなか理不尽エピソード勢ぞろいでしたが、接客業従事者の方々には「うんうん、あるよねあるよね…」と思われる内容かと思います。
大多数が素敵なお客さんですが、たまにこういったメンタルすり減らし系案件があったりもするのが客室乗務員のお仕事です。
こんなとき、どうやってストレス解消をしたりメンタルのケアをしているのかというと
以下の3つです。
⓵寝る
家に帰ってきて夜遅くに
「あのときああしておけば…あのときのあの言葉は悲しかった…」
とかやるのはメンタルには絶対NGです。夜は思考も冴えないし、疲れている時はネガティブになりがちです。
なので、お風呂に入って早く寝ましょう。
⓶脳科学・心理学の本を読みあさる
私が人間関係で辛い時に何度も読んでいる本が、2種類あります。
一つ目は岸見一郎さんのアドラー心理学の本です。
嫌われる勇気は言わずもがな有名ですが、この先生の他の本も面白いです。
岸見先生の本ではいつも
・人は自分の思い通りに動かない
・自分の考え方を変えることしかできない
ということを、繰り返し教えてくれます。
もう一つは池谷裕二さんの脳科学の本です。
脳科学の本の面白いところは「人間って動物だなぁ」と実感できることです。
・他人は思い通りにできないし
・私も他人も動物なんだ
という風に考えると、利己的なのがむしろ普通で、他人に優しくできることの方が尊いのか…という風に思えてきます。
⓷アニメ・マンガに没頭する/友達とおしゃべりする
仕上げに浄化作業をします。笑
楽しいこと、心休まることをして、悲しかったり嫌だった記憶を浄化していきます。
私にとってはアニメを見て泣いたり笑ったり、友達にグチらせてもらったりネタにして笑ってしまうことで、少しずつ曇った心が晴れていきます。
まとめ
CA含め接客業では、時に自分じゃどうしようもないことやお客さんの不機嫌をぶつけられただけの事故的なクレームに直面することがあります。
そんな時、自分なりのメンタルケア方法を持っていると回復も早くて良いと思います。
私の実践している方法(読んでいる本)もおすすめですよ!
最後まで読んでくださりありがとうございました♪
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