今日も遊びにきてくださってありがとうございます!
香港の航空会社で客室乗務員(CA)として働いている、みさたる(Twitter:@misatal1)です🙆♀️
最近、Twitter・ブログ・知恵袋などでよく見る議論があります。
それは・・・
客室乗務員って必要なくね??
というものです。
“このせいでせっかくのイタリア旅行が台無しですわ。。いまフランクフルトで足止め中。ラストミニットの代替チケットも殺到してて取れず、メインの予定に1時間遅れという。。。もうさ、マジで飛行機も完全自動化してCAとか要らないようにしてほしいわ。決して安くない額を払って旅行に来てる人達の事とかこれっぽっちも頭にないんだろうからね。。”
出典元:HORIEMON.COM (https://weblog.horiemon.com/100blog/34521/)
客室乗務員の存在意義を疑っているわけではありませんが、少なくとも国内線において、私は客室乗務員の必要性を感じたことは一度もありません。
毛布や飲料水、新聞などのサービスを必要不可欠だと感じたことはありませんし、利用している人もほとんどいないように感じます。
搭乗時の各機器の説明も、動画流してれば客は勝手に見ますし、客室乗務員が説明しようがどうしようが聞かない人は聞かないでしょう。
(中略)
まあでも、飛行機の不時着なんて年に何回あるよ?っていう話。
というか、飛行機の事故自体十数年に一回とかいうレベルですよね?
必要かなぁ?
出典元:http://syaa-sennnyou-neko.hatenablog.com/entry/2018/02/26/165901
前者は客室乗務員のストライキで飛行機が飛ばなかった経験を受けて、自動化運転でCAを不要にすればいいという提案です。
後者は国内線など短距離路線は、時間も短いから事故が起きる可能性も低い。だから無人で飛ばしても問題ないんじゃないか?という提案です。
実際に客室乗務員として乗務している私は、この意見に一部同意しつつ、違う考えを持っています。
結論からいうと、こんな感じです。
・客室乗務員はこれからも必要
・でも、人数は確実に減らせる
・これからは使用目的によってCAも変化していく予感!
以下で詳しく説明していきます🙆♀️
客室乗務員が必要な3つの理由
客室乗務員は、パイロットの補助だから
客室乗務員の役割は、とってもざっくりいうと
客室にいて、パイロットの補助的な役割を担う人
です。
数人乗りのプロペラ機なんかでは、客室乗務員っていないですよね。
パイロットが直接

シートベルト閉めてね

具合悪くなったら言ってね

脱出の時はこうするよ、誘導するからついてきてね
と言えるからです。
機材が大きくなるにつれ、パイロットは乗客に直接指示を出したり、確認をしたりすることができません。
だから客室に、飛行機のルールや知識を共有した、応急処置の知識のある客室乗務員を置いているのです。
例えば
客室で具合の悪い人がいる!
お客さんがシートベルト閉めてない!
トイレで火災が発生している!
といったことは、客室に誰かいないと確認も対処もできないのです。
なのでパイロットと客室乗務員は、お互いにコミュニケーションを取り、安全であることを確認しながら飛行機を飛ばしています🙆♀️
魔の11分があるから
飛行機の事故が一番起こりやすいタイミングって、いつだと思いますか?
実は飛行機の事故のおよそ7割が、離着陸前後に集中しているのです。
離陸後3分・着陸前8分を魔の11分と呼んだりします。
この瞬間はサイレントレビューをすることが義務付けられており、
緊急脱出になった場合の自分の役割
脱出のコマンド内容
自分が持っていくべき備品やその場所
ドアの開け方
などを心の中でおさらいするのです。
確かに、短いフライトだと急病人が出る確率はグッと下がります。
ですが航空機事故は、フライト時間の長さに関わらずこの「魔の11分」で起きる可能性が高いのです。
そんな時、緊急脱出をスムーズに誘導するためにも、どんなに短いフライトでも客室乗務員は必要だと言えると思います。
乗り方に慣れていない人も沢山いるから
CAが不要だ!と考える人たちは、ほとんどが飛行機に乗り慣れている方々だと想像します。
そして、そういったお客さんにとっては確かにCAは不要に見えても仕方がないです。
でも、そういう旅慣れた人ばかりではないのが現状です。
・シートベルトの閉め方がわからない
・うっかり通路を荷物で塞いじゃう
・1列全部空いてるからラッキー!と離着陸を寝っ転がったままする
↑めっちゃ危ないですよ!大きく揺れたら床に転がり落ちちゃう!
・シートベルトサインがついている離着陸前後でも、トイレに行っちゃう
こういった悪気なく危険な行為をしているお客さんに、キャプテンの代わりにルールを守ってもらうようにお伝えするのが、私たち客室乗務員のお仕事です。
ただ、人数は減らせる
自分たちの首をしめるようなことを言いますが、
人数はもっと減らせる
ということは間違いないです。
「1回のフライトに何人CAが乗務するか?」
これは
ドアの枚数
サービスの内容
完全にこの2つによります。
まず、脱出の際にドアを開ける要員として、ドアの枚数分の人数が必要です。
これが、飛行機を飛ばす最小人数になります(足りてないと飛ばせません)
それから、行うサービスを考慮して
👧この便は何人CAを乗せよう!
と、会社が決めています。
最近ではどこの会社でも、サービスをミニマムにする傾向があります。
今後、LCCとフルサービスキャリアがどういう住み分けをしていくのかまだ分かりませんが、サービスを減らし乗務するCAを最小限にする動きは既にあるのです。
これからの時代の客室乗務員は
感染症対策は、これからも当分続きそうです。
飛行機はやはり狭い空間に密集しているので、これからの時代にあった座席やサービスが登場してくるはずです。
建築やインテリア分野では、ソーシャルディスタンスへの取り組みが始まってるようで、飛行機でもこのようなデザインが発案されているようです(結構すごいw)https://t.co/ceVpJujQUU
— nigoe@五街道制覇(次はどこだ?) (@nigoe0520) June 4, 2020
先日会社の同期CAとおしゃべりしていた時も
・LCCだと席がぎゅうぎゅうだから、この「密を防ぐ」時代にどうなのか?
・でもフルキャリアは食事や飲み物の提供で接触が増える!食べ物の出ないLCCの方が安全かな?
などといろんな意見が出ました。
これからは、今まで以上に航空機利用の目的が多様化しそうですよね。
保安要員としての仕事は今までと変わらないけど、接客業としての客室乗務員は会社やフライトによってもだいぶ変化していきそうです。
さいごに
ずっと昔は「電話交換手」といって、誰かと誰かの電話をつなぐお仕事がありました。
今や電話を通り越し、インターネットのデータ通信によってテレビ電話さえ無料でできる時代です。
時代の流れとニーズによって、お仕事の形はどんどん変わっていきますね。
これから「客室乗務員」 というお仕事がどんな姿になっていくのか、とても気になりますね🙆♀️
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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