感情労働で疲れてない?[元CAが共感した、接客が辛い原因と対処法]

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こんにちは、みさたるです🙆‍♀️

私は新卒から7年間、接客のお仕事をしてきました。

卒業後はマッサージ屋さんのセラピストとして働き、その後香港の航空会社で客室乗務員をしてました!

接客業は、ダイレクトにお客様の反応が見られるところが魅力。とても楽しかったですし、ネタの多い20代を過ごせたのは私にとって財産です。

だがしかし!

接客って本当に大変ですよね。辞めたいと思ったことは一体何億回あることか(実際辞めましたしね🙆‍♀️)

100%理不尽だ!と思う時も、お客さんとサービススタッフでは立場上言い返しにくいもの。

今はオフィス勤務の職業に転職したので、あの時の気持ちを忘れかけていましたが、先日本屋さんでこんな本に出会いました。


オリジナルの表紙がいいんですよね。こんな感じです↓

著者の日野さんは、日本の働き方に疑問を投げかける脱社畜ブログを運営されている方。

今回読んだ作品『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』は、接客のお仕事をしていたときに知りたかった〜!という内容が満載でした。

とてもためになる考え方だと思ったので、皆さんにシェアしたいと思います。

感情労働ってなに?

肉体労働…体を使って働くこと。建設・工場で働く人、農業をしている人など。

頭脳労働…専門知識を使って働くこと。オフィス系業務やクリエイティブ系のお仕事など。

この2つの分け方が主流でしたが、加えて第3の労働スタイルである感情労働という考え方が定着しつつあります。

サービス業の現場では、誰もが顧客に好印象を抱いてもらうという目的のもと、自然な感情を抑制して無理に感じ良く振る舞うことが常態化しています。

このように、相手を特定の感情に誘導するために、自分の素の感情を抑制して管理しなければならない労働環境のことを感情労働といいます

出典元:『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』日野瑛太郎著

いわゆる「接客業」以外にも、

保育士や各学校の先生(子どもや保護者を相手にする)

介護士看護師(利用者や患者さんを相手にする)

など、相手に対して弱い立場になるものは全て感情労働系の職種です。

この先の文章では「接客業」という言葉を使いますが、これらの職業を含んでいると考えて読んでいただければ嬉しいです🙆‍♀️

日本のサービスが異常に発達してしまったのはなぜ?


外国と比べてもずば抜けてサービスの質が高い日本。全てではありませんが、この質の高いサービスは現場の人たちの犠牲で成り立っています。
そもそもなぜ日本で、こんなにサービスの質の追求がされるようになったのでしょうか?

社会全体の流れ

日本の社会が成長しきってしまい、値段や商品の品質そのものでは差がつけられなくなってきたことが背景にあります。

値段はもう下げられない。クオリティもこれ以上あげられない。

こんなときにライバルと差をつけられることが一つだけあります。それが「接客」です。

しかも接客は形で表したり数字で出したりできないもの。そのため、個人のやる気の問題だと捉えられがちです。

企業側は「接客の向上はコスト0円で取り組める、お得な改善案」だと思っているのです。

ライバル企業が接客に力を入れ始めたら、うちも負けてられない!と他の会社も同じ取り組みをします。こうして「コスト0円の接客力UP」が盛んに行われるようになりました。

察することのエキスパート集団、日本人

突然ですがみなさん、小学校の頃の国語のテストって思い出せますか?

小説の一部に線が引いてあり

「この時の主人公の心情に最も近いものはどれか」

こんな問題があったと思います。

「文章の中から人の気持ちを察する」という能力が、学力テストで測定されているのです。

日本では、国語の時間によく「登場人物の気持ち」や「筆者の気持ち」を考えさせる問題を出されます。言うなれば、これは「察し」の訓練です。

一方で欧米では、自分の意見をきちんと相手に伝えるための訓練に時間を割きます。これは「主張」の訓練と言い換えてもいいでしょう。

出典元:『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』日野瑛太郎著

めっちゃ、なるほど!!と思いました。

接客業の人たちが辛いのは

国民全員が”察するエキスパート”な日本では、「こんなのも察せないのか!」という圧力が強いから

自分の思いや立場を主張する力が身についていないから

こんな背景もあるんでしょうね。

ちなみに私は本で読むまで、そんな問題があったことすら忘れてました!無意識に擦り込まれてる…!笑

やりがい搾取とやりがいを求めたい人たち

ディズニーランドのアルバイトスタッフが素晴らしい!という内容の本が一時期流行りましたよね。(私も読みました)

徹底的に理念に共感してもらえれば、アルバイトのスタッフが一流のサービススタッフに育ちますよという内容なのですが、ディズニーランドに限らずこの構造はよくあります。

私は高校生の頃、某焼肉屋さんでアルバイトをしていました。その焼肉チェーン店では、年に1回CS(顧客満足度)と売り上げを各店舗で競う大会が開かれていたのですが、メインで活動していたのは高校生や大学生のアルバイトスタッフでした。

その大会に出場するに当たって、こんな活動をしていました。

他の店舗の接客を勉強するために、近隣の同じチェーン店に自腹で食事をしに行く

ミーティングを開き、販促のチラシを作って近所の企業やお店に割引券を配りに行く

空いている人は全員、大会当日に参加する

これを時給850円のアルバイトスタッフが、無給で自発的にやっていたのです。

当時は「部活みたいにアツくなれる最高のバイトだ!!」と思っていましたが、これ今考えればめちゃくちゃやりがい搾取ですよね?

彼らがそれほどハイレベルな接客を行い、実際にディズニーランドというブランドの価値をあげることに貢献しているのであれば、待遇面でもそれに報いるのが筋でしょう。

(中略)

待遇面を一切変えずに、ただ「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ」ことを誇るだけでは、人を安く使う方法を喧伝しているのと何も変わりません

出典元:『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』日野瑛太郎著

いや、ほんとそれ!

このやりがい搾取構造は「企業ってずるいなぁ」と思う反面、働いている私たち一人ひとりにも責任があります。

同じ待遇でも人が集まり続ける限り、会社側は待遇を変えません。低いお給料でも人が集まっちゃう間は、低いお給料のままなのです。

感情労働でつぶれそうな時のアドバイス

構造は分かったけど、日々のストレスや仕事の疲れにはどう対処すればいいの?

この本では8つのアドバイスが紹介されていましたが、特に印象に残った3つをシェアしたいと思います。

みんなが「値段相応」という意識をもつべし

日本ではコンビニスタッフの接客も高級レストランでの接客も、同じくらい「イヤな思い」はしません。

海外旅行がお好きな人ならお分かりかと思いますが、これは本当にすごいこと。私は香港のマックやコンビニの店員さんに、一体何回ブチ切れたか分かりません。笑

でも

安いお店には安いなりのサービス

高いお店には高いなりのサービス

この感覚は少し身についたと思います。

私たちは、あまりに質の高いサービスに慣れすぎています。

本来は、コンビニの店員さんと高級ホテルのコンシェルジュでは質が違って当たり前です。

この前コンビニで、店員さんにカゴを持たせておにぎりやお茶を買うのを手伝わせてるお客さんがいて、本当にびっくりしました…!

お客さんとしてお店に行く時は、自分がどんな値段帯のお店に来ているのかを考えた方が良さそうです。

働く側としては、自分のお勤め先のレベルに合わせて「これ以上のことはやらない!」という基準を持つといいですね。

イヤなことは口に出す!

仕事の愚痴や不満は、ちゃんと形にして吐き出す方が◎

「終わったことは気にしない」もちろんこれは理想ですが、実はイヤだったことを「忘れよう」と考えれば考えるほど、その出来事を強く意識してしまい忘れられないのです。

溜め込まず、無理に忘れようと努力せず、形にしましょう

声に出して人に話を聞いてもらうのも効果的ですが、著者がオススメしている方法は紙に書くこと

「紙に書く」というストレス解消方法は、実際に医療現場でも使われている心理療法なんだそうです。

「何がイヤだったのか」を書くことで、頭の中でモヤモヤしていたものがはっきり見えてきます。「あのお客さんにこう言われたのが一番傷ついたんだな」と問題と向き合うことで、だんだんと心が晴れてきます。

しんどかったら逃げる

自分の中の意識を変えても、ストレス対処法を学んでも、環境が変わらないと同じ問題が起こります。自分にイヤな態度をとったお客さんは、そのうちまた現れてあなたを傷つけるかもしれません。

そんなあなたへの著者のアドバイスはこれです。

逃げましょう!

今や数多くの本で「環境が与える影響は大きい」と言われています。

先日読んだ本にも、実力よりも能力が発揮できる環境の方が重要だと書いてありました。


 

同じ接客業でも、単価が低いお店より高いお店の方が、お客さんはぐんと優しくなります。

付加価値やサービスに対してお金を払っているという意識が、お客さん側にあるからです。

置かれた場所で咲く」といった考え方も素敵ですが、自分を良い環境に置く方がずっと大切です。

現場を変えるには今がチャンス!

今まで働く人たちは、とても弱い立場にいました。

あなたがやらなくても変わりはいくらでもいる。文句があるなら辞めれば?

そう言われたら何も言い返せなかったからです。

 

ですが今は、深刻な労働者不足。外国人の手を借りてなんとか回っていますが、それでも労働者は昔よりもずっと大切な存在です。

働く私たちがしっかりここで

無理なものは無理です。良いサービスにはお金がかかるのです。OK?

という姿勢を見せていくことで、この感情労働地獄から抜け出せるのではないか?日野さんはそんなメッセージを発信しています。

みんなで意識を変え、環境を変え、みんなが過ごしやすい社会を作っていきたいですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙆‍♀️

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